医学部入試に思うこと
今まさに医学部入試をしている方々には 目障りな記事ですが。
今日は 時折繰り出す、シリアスな記事です。
卒業を控えて思うのは、
医学部入学のために あんな高い学力が必要なのだろうか
医学部といえば、軒並み偏差値が高騰しており、
特に有名大学となれば、ほとんど人間業ではない程の難易度となります。
医師になりたい学生は、
その難関を突破するために、微分積分を頑張って計算したり、
ケアレスミスを丹念に潰していくという緻密な作業に挑むわけです。
けれど、そうして入学すれば、優れた医師になれるのでしょうか。
実名を挙げて申し訳ないのですが、
(一応医学部偏差値の最高峰として引き合いに出しているだけです、悪しからず)
東大卒業の医師が、他大卒業医師に比べて優秀なのでしょうか。
人柄だったら日本全国大して変わらないと思うし、
診断・治療能力についても、
国家試験だけで判断すれば、東大はむしろ合格率が低い方なのです。
もちろん、
「人の命を預かる職業なんだから、ある程度の知性は必要だ」
という主張のも良く分かるし、私もそう思いますが、
やはり学力や面接だけでは医師の適性判断は難しいと思います。
(研究に行かれる方は別です。学力高い方が、人的資源を効率よく活用出来ると思います。)
そして、こうして医学部の偏差値が高騰していることで、
数々のミスマッチが起きているように思えてなりません。
実際、私の身の回りにも、
●親が開業しているので 医師以外は念頭に浮かばなかった
●親の 「子供を医師にする夢」 に引きずられた
●たまたま理系の成績がよく、教員に医学部入試を薦められた
●自分の優秀な成績に見合う大学では、医学部しかなかった
●何浪もした結果、「医学部入学」 しか体裁の良い引き際がなくなってしまった
という人はたくさんいます。
そして、
「本当は医師になりたくなかった、本当は医師に向いていない」
と感じつつも、
「医学部に入った上は、とりあえず医師国家試験は受験する」
と流れに乗って医師になる人もたくさんいます。
人によっては、
「医師免許は取るし、親の病院は継ぐが、
医師業はしたくないので、医療事務をしたい」
と宣言しているケースもあります。
けれど、これは学生だけの責任ではありません。
縄跳びに例えて言えば、
前飛びが出来たら、次は後ろ飛び、そして二重飛び、ハヤブサ・・・
と、難易度の高い技術に挑戦したくなるのは人の性だし、
それこそが成長や向上に繋がると思うのですが、
同じ向上心を持っていたために、
”つい うっかり”
目の前にそびえる偏差値の高い山に登ってしまう人も多いと思います。
加えて、医師というのは便利な職業で、
20年も生きていれば、自分自身も病院にお世話になるし、
親族の死にも1回ぐらいは遭遇するだろうし、
人助けをしたいという気持ちは根本的に皆 備わっていると思うので、
医師になりたいという気持ちを育むことは、大変なことではありません。
ドラマや報道で見る医師像も、自分のイメージを膨らませるのに役立ちます。
けれど、登る山はもう少し低くてもいいから、
もっと違う何かを持っていた方が、
医師として素直に成長して行けるんじゃないかと思います。
それが何かは、
私はまだ実際に医師になっていないので分かりません。
患者としては思うところはあるけれど、
患者から見た医師の仕事というのは
医師という全体像のほんの氷山の一角だということがポリクリでよく分かったので、
実際に医師になって何が必要かなんて、今はまだ分からないのです。
けれど、それが分からなかったり、
かかりつけ医やドラマや報道から想像していた医師の仕事とは程遠い、
医師の現実を目の当たりにして、
「本当は医師になんてなりたくなかった」
「医学部に入って初めて、医師になりたくないと思った」
「医師になりたくてたまらないのに、偏差値の壁が邪魔をする」
というアンマッチを引き起こしているケースも多いと思います。
たとえば、医学部入試であれば、
●欧米と同じくmedical school方式
●入試のために1年間の病院ボランティアの必須化
(差し障りのないところで、小児科病棟の病院学級とか、配膳・移乗の介助とか・・・
もちろん一定講習と守秘義務の下で)
●学力試験は足切り方式で、一定の学力があれば可
・・・というような改革は出来ないでしょうか。
私自身は、
出会いから何かを感じ学び、
患者さんの痛みを共有し、何かをしてあげたいと思う気持ち
が湧き上がることが、今は自分の原動力として必要だと思っていますが、
それが医師として十分条件ではないだろうし、
医師に備わっているべき条件が自分の中にあるかどうかもわかりません。
もちろん、
医師は人の命を預かる職業なんだから
という印籠を掲げて、
医師に全人的にパーフェクトであることを押し付ける気もありません。
医師として自分はそうなるよう努力はするけれど、
結果的に他人が自分の理想の医師像と違うことを責める気はありません。
なぜなら、自分が不完全だから、偉そうなことを言えないのです。
けれど、
今の財源措置と 医師不足の現状を鑑みて、
医学部に入った人は原則的に医師にならざるを得ないのだったら、
本当に医師になりたい人が医師になれること、
本当は医師になりたくない人が医学部に入らずに済むこと、
その情報提供をしてあげる制度を作ることが、
大事なんではないかと思うのですが、
いかがでしょうか。
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コメント
こんにちわ(*^_^*)
そうですねぇ。。医師に学力は関係ないですね。
doraは、高校時代、物理が大好きだったのに、なぜ全く物理とは関係のない職種についているのか不思議でなりません。。
doraは大学卒業時にどうしても、モノを作る仕事に就きたくて親・親戚・友達に相談したことがあります。医師という職業を棒に振ってでも、新しい世界に行きたいと。でも、6年間社会から隔絶されて生きてきたというブランクと、せっかく資格があるのにもったいない!っていう意見に阻まれてしまいました。それでも、その当時は、「3年間必死で頑張って、この職業に自信がついたら、きっぱりと辞めてしまって、好きな職種に就こう!」って思ってました。もう、なんだかんだ言っても、8年過ぎてしまいましたが・・(^_^;)
一旦、この世界に入ってしまうと、なかなか面白くて、ぬけられないものです。でも、ようやく、自分もある程度の実力がついて、余裕もでてきたので、なんとかして、今の知識と技術を生かして、何か新しいことを始めようって考えてます。ってか、始めかけてます(^_^;) 要は、やる気があれば、どこ行っても(どんな職業についても)やっていける!ってことですね!
だからdoraはこの世界に入ったこと、昔は後悔していましたが、今は良かったなって思ってます。でも、次生まれ変わってまた医師になるかと訊かれたら、イヤって言いますけどね(^_^;)
投稿 doradora | 2007年1月30日 (火) 21時47分
doradora先生>
最初は興味がなくても、実際に医療の現場に立つうちに、面白みと奥深さが増してくるって、最高の仕事と最高の適性だと思います。私はどうなるのか解りませんが、少しでも自分の仕事に対して愛着を持てればいいなぁと思っているし、逆に仕事を完全に生活の手段として捕らえてしまうようになるのが一番の恐怖です。やっぱり、一日の相当な時間を仕事に費やすなら、湧き上がる情熱を持ち続けたいというのが切なる願いです。
もう少しで私も「タマゴ」から脱皮するチャンスがやってきます。だからといって何ができるようになるわけでも、賢くなるわけでもないので、不安と恐怖はつきませんが、キツイ体力仕事も時間も忘れて喜んでできるような仕事であることを願うばかりです。
投稿 華 | 2007年2月12日 (月) 17時19分