« 2009年6月 | トップページ | 2016年2月 »

華、学会発表する の巻

学会発表、といえば。

①2ヶ月前くらいまでに抄録(要約)を提出

②CTとかMRIとかをひたすらデジタルで取り込む、データ収集、文献検索

③パワーポイントでスライド作って

④原稿書いて、上級医にチェックしてもらい

⑤当日発表

という順序を踏むのが普通です。

私は3年生で超ビギナーなので、この準備はだいたい2ヶ月かかります。

 

 

3回目の学会発表は突然やってきた!

ある日准教授から、

「アナタの名前で抄録出しといたから、あと やっといてね」

と衝撃の一言。それも学会の7日前。

 

毎日ほとんどが12時まで残業、しかも月に6日は完徹の毎日の中、

ああ、まさにこれが 無茶振り ってやつですか。。。

 

その日からひたすら情報収集。

准教授のところに経過報告に行くと、

「これもやっといてね、あれもやっといてね、それとこれもあれもやっといてね」

って業務命令のマシンガン。

はっきり言って、相当腐りました。

 

目撃者・K先生によれば

「華ちゃんが、エコー室で准教授に 絵まで描いてもらって教えてもらってるから、

どれだけ困った難治症例抱えてるのかなー?って思ってたのよ。

そういうことだったのねー、

華ちゃん メッチャメチャ ふて腐れた顔してるし、聞き流してる感じだったsmile

 

 

で、発表の前日。

運悪くこの日は当直。

患者さんの急変・急変で病棟にかかりっきりになり、

やっと時間が作れたのが午前2時。

 

それから急いで資料を作り直して、

なんとなく やれって言われたことだけは終わった。。。

もう朝4時か。。。あと3時間したら通常業務だ。。。

あら、こんなところに素敵なソファーが。。。

と、倒れるように寝てしまったのが、

大胆不敵にも、エコー室の患者さん用検査ベッドなのでした。

 

そして1時間くらい仮眠を取ったころ。つまり明け方5時頃。

人が入ってくる音が!!続いて、パソコンをカチカチやってる音。

 

 

・・・・・この音は・・・准教授ですねcoldsweats02・・・・・

 

 

あまりにバツが悪すぎて、起き上がることも出来ず、

そのまま寝た振りコキました(←ありえない)。

 

完全に寝ている私のそばで、ひたすら学会発表資料を手直しする准教授。

日本各地から患者さんが集まってくる、その世界では名だたるお方が、

後輩が足を向けて イビキをかかんばかりに寝ているそばで、

徹夜で指導してくださっている 無残な光景

 

 

朝、起きたらしっかりメッセージが残されてましたよ。

「手直ししておきましたが、最終チェックをしたいので、あとで来るように」って。

しかも赤字で。

 

「あんなに ヒトの発表資料を作らされたのは初めてよ、ま、いいわ」

って言われました。。。

 

用意された原稿を読むだけの、完全にアナウンサー状態で挑んだ学会。

周りは、どうみても「15年以上は医者やってるでしょーーー?!」って感じの

すごいベテランばかり。しかもタイトルからしてマニアックな学会。

ここはパソコン業界の秋葉原。ニューハーフ業界の歌舞伎町。

 

うっかり自分の手荷物を見ると、

”初学者でもわかる 腹部エコー CD-ROM解説付き!”

って本の背表紙が覗いてるし! 慌ててマフラーでグルグル巻いて隠しましたとも!!

 

 

さて発表。読むことだけは フツーに終わり、さて質疑応答。

 

質問1

「最初のTACEが終了した段階で、RFAとの二重治療を行えばよかったのでは」

 

「何も分からないと思うから、質問は全部私が答えるわ」と言っていた准教授。

チラリと壇上から視線を投げても、一向に立ち上がる様子なく。

・・・これは、ひょっとして私が答えねばイカンのか。

・・・しかし、こんなヒヨヒヨ・ビギナーが、百戦錬磨のドクターに答えていいものか。

悩んだ挙句。

 

答え1

「もともとの心不全の増悪のため追加治療は困難な状態でした」

 

チラリと准教授を見ると、准教授ニコニコ。

一応ちゃんと答えたことになってるんだろう。ホッ。

 

 

質問2

「造影CTを行えていませんが、治療後の残存癌の評価はどうお考えですか」

答え2

「仰るとおり、腎不全があったために やむを得ず単純CTしか行えていませんが、これに加えて腫瘍マーカーの推移と造影エコーを傍証としております」

 

 

准教授立ち上がらず。

一応これで良いのか?スッキリしないまま次へ。

 

 

質疑応答時間は12分間。

専門分野は何もわからない私。無心に投げられる質問の数々。

意味不明な専門用語に一刻も早く逃げ去りたい私。逃がすまいとする質問者。

 

 

ここらへんから、段々意識が朦朧と・・・

何を聞かれて、何を答えているのかわからないわ・・・?

とりあえず、准教授が立ち上がらないってことは、辻褄は合っているのか・・・?

 

永遠に思われるほどに永い12分間の質疑応答。

徹夜の効果で段々フラフラになる私。

 

 

質問

「△×□○※ RFA ★△◎◆×○ TACE ~×□★○※□ はどうですか」

ああ~ もはや質問の意味が分からない~

とりあえず、聞き取れた単語を並べると・・・

 

 

答え

「えーーーーーと、、、、RFAとTACEがどう違うかってことですか・・・?」

注:これは、「リンゴとキャベツはどう違うんですか?」っていうくらい意味不明な質問で、

  肝臓癌の秋葉原/歌舞伎町たるこのマニアックな学会でそんなこと聞かれる訳ない。

 

 

・・・うちのボスはRFAの神様だぞ・・・(と、悪魔の声)

「もともとRFAはマージンを確保して行える治療ということもありますが、

当院では、RFAはTACEよりも治療成績は優れております!!(キッパリ)」

 

多分、今回一緒に来てた指導医が、TACEの神様だったら、

「当院では、TACEはRFAよりも良い治療成績です!!」

って言う自分がここにいるんだろうな・・・ と自分の中の日和見振りに失望。

 

 

・・・しかし、教授立ち上がらず。

・・・多分合ってるんだろう。。。。。

日ごろから、患者さんの症例検討会とかのプレゼンテーションで、

苛められ抜いて応答技術(=言い訳技術)を叩き上げられているせいか、

無駄にこんなときに 適当に答弁しちゃう自分が怖い・・・

 

 

質問 ラスト

「このRFAのデバイス(刺した針の種類)には何を使いましたか?」

 

え、デバイス?デバイスですって?

私、自慢じゃないですけど、RFAのデバイスの名前なんて、何一つ知りませんとも!!

 

適当に、「デバイスはTA850針を使いました」とかでっち上げることも出来るけど、

相手はプロ中のプロ。

「TA850針?なんですか、それ?聞いたことないですけど?」

って騒然とさせちゃうことは目に見えてるので、

私は壇上で貝になりました

 

 

ラストの2つの質問は、その後准教授が適宜フォローしてくれて終了。

 

 

帰り際、准教授が、

「華ちゃん、すごいじゃなーい。この患者さんのこと、何にも知らないハズなのに、

威風堂々とちゃんと答えててすっかり感心しちゃった★」

と言って下さいました。

 

 

しばらく学会には出たくないなー と考えたその瞬間。

 

 

「次は、大阪で学会があるのよ、ぜひ一緒に行きましょうよ、大阪!」

 

とボスの声。

壇上の貝、つづく。。。?

« 2009年6月 | トップページ | 2016年2月 »

2016年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ