国家試験回想録②
いまさら~?。。。って感じなんですが、書くと宣言していたので、
国家試験1日目のことを書きます。
試験監督(たぶん厚生労働省の官僚) のことなんです。
今回は、黒板はあるけど、時計がない教室で受験しました。
受験生70人程度に対し、試験監督は5名。
男性2名、女性3名。
みんな申し合わせたように、黒いスーツを着て、
ジッと受験生を見据える立ち姿、すごい威厳と圧迫感があります。
男性監督員は、
1人は50歳くらいで、いかにも偉そうな感じで話す人。
もう1人は20代半ばといったところ。今日の主人公はこの男性です。
精悍な顔立ちの中に、あどけなさと いたずら感が漂う表情をしつつ、
礼節や立場はきちんとわきまえていそうな感じの、好青年です。
立ち姿がピンとしているので、たぶんスポーツやってるんじゃないかな。
とにかく 爽やかなのに 熱血で真面目そうな、好青年です。
さて、
国家試験 1科目目は、約3時間の試験時間だったんですけど、
結構難しかったんですよ。しょっぱなから。
うぅ、難しい。。。国家試験ってこんな難しかったっけ?!
って悶々としてて、やばいなー、こりゃ見直しの時間足りないなー、
と時間の心配しながら 腕時計にチラリと目をやると、
残り1時間半。
なーんだ、意外と時間あるじゃん、
よしよし、余裕でいけるぜぃ!
っと余裕をかましていたのも つかの間、
まだ数分も経っていないっていうのに、いきなり
「残り15分です」
ってアナウンスが出たんです!
えっ。。。ええっ?!!
ってビックリしながら、我が腕時計にジッと目をこらすと。。。
私の腕時計、もう瀕死の状態で、
秒針なんか 第Ⅲ度房室ブロック みたいな動きになっちゃってて、
もうはっきりいって、
ご臨終~。みたいな (T_T)
この時計、私が人生で重大局面に立ったときには、
どういう訳か必ず根をあげるのがお約束になっていたので、
国家試験の前から、
「ひょっとしてヤバイんじゃないの。。。?」
と予感はしてたんですが、
こんなときに orz
でも、今は答案作成に1分を争う事態なので、
ガッカリしている余裕はない。
その辺をウロウロしていた監督員をとっさにつかまえて、
「すみません、腕時計が止まっちゃったんです、申し訳ないんですが
貸していただく訳には参りませんでしょうか」
と懇願したのが、先に紹介しました監督員です。
そしたらこの好青年、今までの官僚顔が 突然崩れて、
「えっ(←絶句)。。。。すみません。。。」
とか言って、モジモジしながら ビシッと決めた黒いスーツの下に隠れた
自分の腕時計をはずそうとしてくれてるんです。
すみませんなんて謝らなくていいのにぃ。。。悪いのは私なんだから。。。
と恐縮している私の目の前に差し出された腕時計はこれ。
し、しらゆき姫?!
こんな好青年の腕から?!
でも答案作成の締切時間は迫っている。
時計はデザインではなく、正確な時間を示すこと が何よりも重要である。
なによりも、貸してもらった身で贅沢を言える立場にはない。
第一、こんなことで動揺しては医者になれない。
と一瞬のうちに考えて、何事もなかったように、
「ありがとうございますっ」
とお礼を言って、ひったくるように 白雪姫ちゃんの 腕時計を借り、
答案作成を続けたのでした。
休み時間とかも、時計がないとお話にならないので、
結局この時計は1日中拝借し、腕に巻いていたのですが、
普段、クールな時計(←しかし外見とは裏腹に、プレッシャーに弱く すぐ根をあげるウイ奴)
をしている 私の手首で、
いきなり 白雪姫 がニッコリと微笑んでいる姿は結構人目をひいたらしく、
「その時計、どうしたの?」
と何人もから聞かれました。
そして、その威厳を保つべきであった試験監督は密かに、私達から
「あの監督ちゃん、カワユイ★」
と思われてしまったのでした。
さてその試験監督ですが、
試験中、時計が気になるのか 私に負い目があるのか、
はたまた時計を貸した以上 妙な愛着が湧いたのか、
なんとなく 私の周りをウロチョロしてくれていて、
私も試験監督に対して妙な圧迫感を感じないで試験を受けることが出来ました。
最近は携帯電話を時計代わりにして、腕時計を持たない人も多いから、
きっと彼もその一人で、
でも、試験監督に出かける日の朝、
「そういえば、携帯電話は持ち込めないっ!」
と慌ててしまい、咄嗟に その辺に転がってた、
娘さんか、姪御さんかの時計を掴んできちゃったんだろうなー
(そして、「スーツで隠れるからバレないだろう」 と タカをくくってたんだろうなー)
と思います。。。。一応これは彼に対するフォローです。
他にも、
私の頭上の蛍光灯が突然切れちゃったりとか、
受験番号も いかにも落ちそうな語呂だったし、
まったくトホホな国家試験だったんですが、一応合格しました。
今年の国家試験はガイドラインを無視して出題されたので、
予備校いわく、 『近年稀に見るエグい試験』 だったそうです。
専門の先生に尋ねても、解らないと言われてしまう問題が必修に含まれており、
はっきり言って厳しい試験だったんじゃないかと思います。
私の得点は、結果的には 普通に安全圏に入っていましたが、
試験中は常に ギロチンが後ろから追い掛けてくる錯覚があって、
常に 再受験を意識しながら回答した試験でした。
合格した今でも、
「実はギロチンで尻尾切れちゃってるんだけどね。。。」 って気分です。
本来なら出会えるはずの患者さんに出会うためにも、
私はここで怯むわけにはいかない。
ここまで来た以上、どんなに苦しくても受かるしかないんだ。
と、悲壮感と使命感に満ちた想いで胸いっぱいに、そして、
これしか解らないけど、お願い通してーー!
ホント勉強不足でごめん、こんな馬鹿でごめん、
でもお願い どうか もう許してーー!!
と、図々しくも厚かましい性格を垣間見せつつ、
精神力とマゾヒスティックな忍耐力で乗り切りました。
来年の受験生の皆様、頑張ってください。
そして試験監督の皆様も、頑張ってください。
この場を借りて改めて、時計を貸してくださった監督様に御礼申し上げます。
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