解剖の思ひ出 ②

初日の解剖実習そのものは つつがなく終わり、

初日だったので3~4時間くらいしか やらなかったように思いますが、

なんせ初めてのことばかりで、緊張するばかりで、

精神的に本当に疲弊してしまい、

終わってから何もする気が起きず、

仲良し3人で

「ご飯、食べにいく・・・?」

ということになりました。

 

 

近所に美味しい洋食屋さんがあるので、そこに向かう3人。

今考えると、すっごい迷惑。

席数15席くらいの小さな店に、

髪から下着から、染み込んだ強烈な異臭を放つ3人娘。

あの日は緊張してたので、自分がそんなに臭いなんて気付かなかったんですけど、

店のマスター、今思うと、いつもより無口だった気がします。

 

 

解剖をやった日は、肉が食べられなくなるとか、マグロを受け付けないとか、

そんな話をよく聞くし、

実際そうなってしまって、解剖期間中は菜食主義を通した友人もいましたが、

私は意外と食べ物への抵抗感はなくて、

肉も魚もモリモリ食べてました☆ だって疲れてたし。

 

 

ただ、あまりそういう部分へのデリカシーがなく、やや鷹揚なのが

私の長所というか短所というかなので、 (気を付けるようにしてるのですが・・)

ついうっかり、

「コーン入りの半熟オムレツって、脂肪を彷彿とさせるねぇ・・・」

と口走ってしまって、友人2人から オエッ とされたのは良い思い出です(^^;)

さて。

自らの異臭に気づきもせず、街中の人気店に繰り出してしまった私たちですが、

似たような過ちは 多くの学生が犯してしまったらしく、

 

 

学生食堂からクレームが来たり

(適宜自由に中断し、解剖用の服から平服に着替えて食堂に行くのですが、

髪や下着からニオイがプンプンとしてしまう)

上級生に嫌がられたりと散々だったので、

 

 

教授から、

「昼食は、他の学年が食べ終えてから行くように」

という厳命が下されてしまいました。

 

 

とりわけうちの学年は、ニオイに関するクレームが多かったようです。

これは、

「放っておくと、2ヶ月後くらいにご遺体が腐乱しちゃうらしい」

という根も葉もない噂に惑わされた私達が、

必要以上に腐敗防止薬をジャンジャカ使いすぎてしまったためです。

おかげで、ご遺体は綺麗なままで最後まで解剖が終えられましたが、

学校の皆様にはご迷惑おかけしました。

 

 

今年の2年生は、例年よりもニオイが少ないので、

ちゃんと終えられるのか少し心配です(^^;)

解剖の思ひ出 ①

今日、食堂の前を通ったら、

解剖のニオイがただよっていました。

2年生が、もう解剖を始める時期なのですね。

これから年度末まで、2年生は解剖漬けの日々が始まります。

 

 

解剖のニオイというのは、悪臭とも良臭とも分別がつかない、

とにかく人生で初めて嗅いだようなニオイで、

そしてこれからの人生でも多分嗅がないだろうと思えるニオイで、

(ご遺体を美しく保存するための薬液のニオイです)

これが結構な吸着力があり、

1日解剖をやっていると、体の奥底まで染みついてしまいます。

これを取るためには、

服を全部着替え、手を洗い、髪を洗い、

お風呂に入って、下着も靴も含めて全交換

するしかないくらいです。

 

 

だけど、下手すれば朝9時から夜8時まで、

冷え冷えする解剖教室で立ちっぱなしで解剖をして

(実習室が寒いのは、ご遺体が腐敗しないようにです)

その後 夜12時頃まで顕微鏡でスケッチをして、

疲れ果てて家に帰り、

明日の解剖範囲の予習と、今日剖出したところの暗記をして・・・

朝方3時に寝て、朝7時過ぎには起きる、

と忙しくしていると、なかなかゆっくりとお風呂に入る時間が確保できず、

結局 部屋に解剖のニオイが染みついてしまい、困った記憶があります。

 

 

どの学生さんもそうだと思うのですが、

解剖には色々な思い出があって、

私の解剖の一番最初のイベントは、

初めて出会ったご遺体を、解剖台の上に乗せる時でした。

 

 

ご遺体の頭・胴体・足を班員が分担して持たなくてはならなくて、

私は たまたま頭部を持つことに。

私、亡骸を抱えるのって初めてだったので、かなりビビリバビリでした。

で、触れるか触れないかのギリギリの位置で、そっと頭の側に手をやり、

「いっせーのーせ!」

でご遺体を持ち上げたとき、

亡くなって、薬液で軽く処理された独特な皮膚の感触と、

頭部の重さに驚いて、

頭部を落としそうになってしまったんです・・・

とっさの非常事態に、どうすれば良いのかわからなくなって、

膝とか胴とか、なんでもいいから全身で支えなくちゃと思いながらも、

全身をクッションにしてご遺体を受け止める困惑が微妙に混じってしまい、

どうすれば良いのか分からなくなってしまいました。

 

 

この件は、他の班の男子学生が、瞬時に見つけて駆け寄ってきて、

私の補佐をしてくれ、ことなきを得ましたが、

 

しばらくの間、

私は頭部担当からはずされたことは言うまでもありません。

 

今でも、患者さんをストレッチャーからベッドに移す時とかは、

ちゃっかりと患者さんの足元に回って、足の移乗担当を独占しています(>_<)

(足は、頭に比べ持ちやすいし、

  万が一落としてしまっても大きな事故にはならないから、

  女性スタッフには密かに人気の部位です)

 

2016年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ